居合がかっこいい!

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兇状(きょうじょう)持ちで盲目の侠客が神業のような一撃必殺の抜刀術で悪人をダイナミックに蹴散らしていく、日本を代表する名作映画のひとつでもある「座頭市」のワンシーンは有名ですよね。座頭市のように居合のシーンが出てくる映画や本などは多数ありますが、多くの人が居合ときいて最初に思い浮かべるのが、相手に一瞬の隙を与えず目にもとまらぬ速さで刀を抜き、一瞬にして斬りつける技術ではないでしょうか。

居合を日本で最初にはじめたのは「林崎甚助(はやしざき じんすけ)という戦国時代から江戸時代初期に生きた剣客といわれています。「臨戦態勢ではない状態に敵から突然襲いかかられたときにどう対処をするか」というシチュエーションを想定し、対剣術用として居合の技が生み出されました。たとえば、普通に歩いている時や座って対話をしている時、突然敵に攻撃されたらどうしますか?相手はすでに刀を抜いて斬りかかろうとしている状況ではとっさに刀を抜いたとしても間に合わないですよね。迎え撃つことすらできず、相手の刀が先にこちらに届き、致命傷になってしまいます。そんな絶体絶命の状況に対応するために生み出されたのが居合なんです。居合とは、「居ながらにして急に合する」という意味もあり、相手を攻撃するのではなく護身の要素の強い武術であるといえます。

居合にはさまざまな流派が存在しており、一般財団法人 無外流もそのうちのひとつ。無外流とは元禄から現代まで三百年以上続く歴史のある流派で、全国各地に2,000箇所以上の稽古場所があり、たくさんの剣士が日々居合の稽古に励んでいます。そして、居合の稽古だけではなく世界中の剣士が集まって技を競い合う国際大会や交流イベントも行われています。居合に興味を持った方はまずは稽古場を見学してみるといいですよ。僕も行きましたが、間近で見るとますます迫力があってかっこいいです。

座頭市の主役を演じた勝慎太郎のようなキレのある殺陣の技術を身につけるには日ごろの鍛錬が必要です。毎日居合の稽古をすることで、集中力や体幹だけではなく精神面も鍛えられ、美しい所作も身につけることができるはず。僕もしばらく稽古がんばります!

Yakuza holding katana sword

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